理事長所信
つながりの架け橋となれ~よりよくしたい、想いは一つ~
【はじめに】
私たちは、明るい豊かな社会の実現を目指し、修練、奉仕、友情の三信条を心掛け、英知と勇気と情熱をもって運動を展開する組織です。運動が始まった1947年からJCの意志は脈々と受け継がれ、今日まで発展と成長の歩みを止めることなく、運動を続けてきた長い歴史があります。私がJCの一員となった当初、あなたが思うリーダーとは、どのような存在か、と問われ、イメージはできていても言葉にすることが難しく、明確な答えを出せなかったことを、今でも覚えています。まちづくりという言葉も知らなかった私に、リーダーとはどのような存在か、そして、地域を想うことの大切さを教えてくれたのは、JCでした。私たちが運動を展開する地域である室蘭市は、天然の良港を中心に鉄鋼、造船、石油精製など北海道内でも有数の工業港湾都市として発展し、登別市は、日本有数の多彩な泉質をもつ温泉と景勝地を有し、国内のみならず世界各国から、癒しの場として愛され、観光客が訪れる観光のまちとして発展して参りました。
現在両市は、カーボンニュートラルの実現を目指し、室蘭市は脱炭素と産業技術、登別市は脱炭素と観光を組み合わせ、地域性を活かした取り組みが盛んに行われ、地域をよりよくしたい想いをもって行動するリーダー達の活躍で、まちはさらなる発展に動き出しています。しかし一方では、人口減少や少子高齢化は加速しており、人財不足によって、企業は縮小、撤退を選択せざるを得なくなり、地域の魅力を低下させ、人が地域から離れていく連鎖を生み続けています。現在、室蘭市の人口は約7万8千人、登別市の人口は約4万5千人であり、地域をよりよくするため、様々な方面で活躍する組織や団体が70以上存在しています。地域に対する想いは一つでも、運営方法の違いや地域の違い、特化する分野により、それぞれが理念をもち、運動を展開しておりますが、組織や団体も企業同様に、縮小や解散を選択せざるを得なくなり、このままでは、まちづくりの大切さを、次代へ伝える人は減り、地域を想う人も減少し続けてしまいます。
JCI登別室蘭は、18年前、新たな地域の創造と構築のため、両市行政の垣根を超え、広域的な運動を展開することを目的に、JCの統合という選択をし、両市を一つのまちと捉え、枠に囚われない運動展開を成し遂げた組織です。そのような実績があるLOMだからこそ、さらなる組織連携、地域連携を展開していくことが、JCI登別室蘭ならではの運動であり、より積極的に取り組むべきなのではないでしょうか。人と人、組織と組織、そして地域をつなぐ架け橋となり、多岐にわたり連携を強めることで、地域課題を解決する方法が見出せると考えます。連携を通して人の出会いは広がり、つながりは新たな価値を生み出し、地域をよりよくしたいという想いを一つに、枠に囚われない連携で、よりよい未来への架け橋となるよう、先陣を切り行動していきましょう。
【基本理念】
よりよい未来を見据えた、連携づくり
【基本方針】
よりよい未来への架け橋となる組織づくり
よりよい未来への架け橋となるひとづくり
よりよい未来への架け橋となる北海道地区大会の開催
【基本行動計画】
1. よりよい未来への架け橋となる組織づくり
JCは、毎年組織編成を変え、常に新たな知識や発想で、いかなる時代においても挑戦の歩みを止めることなく、未来を切り拓いてきました。この挑戦の連続が組織力の強化となり、さらに議論を重ね実現させてきたからこそ、ひとづくりやまちづくりが円滑に行われてきました。また、2020年から流行が始まった新型コロナウイルスの影響により、組織運営の方法にも急速な変化が求められた結果、組織は時代に即した変化を成し遂げ、今では、新たに取り入れた方法を活かしながら、本来の運営に戻りつつあります。しかし、単年度制であり卒業がある組織だからこそ、引き継ぐこと、受け継ぐことを大切にしなければ、積み上げてきた組織力は簡単に失われてしまいます。長年に亘り厳格に行われてきた設えや、規律をもって行うべきことを大切にする意識の低下は、メンバー同士ですら、不信感や違和感を与え、低下した意識のまま、同じことを繰り返し続ける結果、そのような現状が当たり前となってしまい、組織衰退は免れないと考えます。JCI登別室蘭がこれからも地域で活躍する組織であり続けるために、本来の運営や規律に立ち返り、積み上げられてきた組織力を途絶えさせることなく活かし、誰か一人だけが成長するのではなく、技術、知識を共有し、いかなる場面においても、誰もが円滑な運営を行えるようにすることで、常に万全な組織力を発揮させることができると考えます。また、私たちの魅力は、事業や例会だけではありません。日々の活動、運動に加え、メンバー自身の個性や知識にも、多くの魅力があります。組織の魅力をメンバー間だけで共有するのではなく、地域に開示することで、組織の信頼を向上させ、人と人、組織と組織をつなぐきっかけとなり、さらなる連携が実現されると考えます。私たちが住み暮らす地域にJCが設立されてから今日まで、多くの困難を乗り超え運動し続けた組織の一員であることに、自信と誇りをもち、信頼から連携をつくり、よりよい未来への架け橋となる組織になりましょう。
2. よりよい未来への架け橋となるひとづくり
人は人でしか磨かれない、という言葉があるように、人に出会い、影響を受け、憧れを抱き、目指すからこそ一つ一つの行動や意識に変化が起き、人は発展と成長を繰り返していくのだと考えます。地域をけん引するリーダーとなる私たちは、明確な目標をもち、自らを磨く努力を怠らず、相手の想いに向き合い、自身の評価や立場だけではなく、周囲の評価をもってリーダーと認められる存在となり、次代のリーダーを育てるべく、意識や行動に変化を起こすきっかけを与えられる人財へと成長する必要があります。私は、苦手、できない、やりたくない、というようなネガティブな意識にこそ、自らの弱点を示していると考えます。弱点を知ることは、同時に成長のチャンスでもあり、挑戦の繰り返しで、発展と成長は確かなものとなります。また、周囲に認められるリーダーには、スキルだけでなく個性が必要です。それぞれがもつ個性は、誰に真似できるものではなく、それぞれの輝きを放つからこそ、人を惹きつける魅力となります。そして個性もまた、人によって気づかされるものであり、人と人の時間の共有なくして、輝くことはありません。常に目標をもち、自身を磨き、相手を想える心と行動力で、時間の共有を大切にし、個性を輝かせる人となりましょう。そのような人の立ち居振る舞いが、人を惹きつけ、次代のリーダーを育てていくのです。成長の根幹にある出会いの機会を得るには、自ら一歩を踏み出さなければなりません。一歩踏み出した時、JCには、出会いの場が無限に存在します。自らの可能性をとどめることなく、出会いをチャンスと捉え、発展と成長を繰り返し、人をよりよい未来へ導くリーダーとなりましょう。
3. よりよい未来への架け橋となる北海道地区大会の開催
21年前に、JCI室蘭主管で開催された北海道地区大会が本年度、JCI登別室蘭主管で開催されます。北海道地区大会は、全道各地のメンバーが、主管LOMの地域に集結する大会であり、室蘭市、登別市、JCI登別室蘭が積み上げてきた歴史、魅力、未来への可能性を、全道へ発信することができる大会です。登別と室蘭のJCが統合されて以来、初めての試みとなることから、私たちは、昨年度から地区大会の運営に関わり、地区大会準備委員会を設立し、地区大会主管への意識を高め、地域との連携基盤構築のため、広域的な運動を展開し、昨年開催された北海道地区大会 南空知いわみざわ大会に多くのメンバーと参加できたことで、大会主管への気概は確実に高まっています。近年では、事業や例会に対する出席率の低下が問題視され、大きな懸念となっておりますが、今後のJC活動運動を活性化させるため、大きな困難への挑戦こそ、団結のチャンスと捉え、成功へ導く時間の共有を通して、改めてJCの友情を確立させる必要があります。また、地域との連携も不可欠となります。JCのためだけに大会を開催するのではなく、私たちが日頃から運動を展開する地域と連携し、主催である北海道地区協議会と共に、北海道をよりよくしたいという想いを一つに、構築、開催することが必須です。そして、JCI登別室蘭が大会主管に至ったのは、現役メンバーの力だけではなく、先輩諸氏が築き上げた、発展と成長の礎と18年間に亘り紡いできた地域連携が、確実に受け継がれてきたからだと、私は強く感じます。だからこそ、現役メンバーだけではなく、先輩諸氏の皆様にとっても、誇れる地区大会となるよう構築、開催していくことが必要です。そして、地区大会開催だけを成功とするのではなく、地区大会開催後の未来をしっかりと見据え、室蘭市、登別市に再び訪れたいと思ってもらえる設えを心掛け、自身の地域でも、地区大会を開催したいという感動を与え、全道各地のリーダーがよりよい未来を描き、考動するきっかけをつくりだし、明日(あす)の北海道を輝かせる、未来への架け橋となる北海道地区大会を開催しましょう。
【基本組織編成】
1.総務広報渉外委員会
・積み上げてきた組織力を活かした、組織運営
・新年交礼会の開催
・会員拡大につながる情報収集と広報活動
・よりよい連携の架け橋となる渉外活動
・その他の取り組み
2.ひとづくり委員会
・人をよりよい未来へ導くリーダーの育成
・各地LOMメンバーとのつながりを育む交流
・各地LOMとのつながりを育む交流
・さよならパーティーの開催
・会員拡大へつながる取り組み
・その他の取り組み
3.地区大会実行委員会
・よりよい未来への架け橋となる地区大会の構築
・よりよい未来への架け橋となる地区大会の開催
・よりよい未来への架け橋となる地区大会の検証
・地区大会主管を通した、連携による会員拡大への取り組み
【結びに】
JCに入会して以来、私の人生は大きく変化しました。人のため、地域のため、汗を流し、時には涙を流し、家庭や社業との平行で行われるまちづくりは、とても大変であるはずなのに、最後には心の底から笑い合い、そしてまた次へ進む。私はいつしか、挑戦を続けるリーダーの姿に、憧れを抱くようになり、共に歩んでいきたいと思ったことが、私に変化を与えたきっかけとなりました。しかし、JC自体は、全国的にも会員を減らすだけにとどまらず、組織自体が地域から無くなるのも珍しくはないのが現状です。JCが地域から無くなることは、地域を想う人を減らすことに直結します。JCI登別室蘭が解散する、そのような日が来てほしくない。JCの意志を次代へつないでいかなければ、解散は現実になると考えます。時に想いを寄せるからこそ意見が食い違うこともあるでしょう。そうだとしても、地域をよりよくしたいという想いは、一つだと考えます。互いを活かし、連携することで、地域を想う運動は今までに増して飛躍を見せ、挑戦を続けるまちづくりリーダー達の姿により、想いは次代へ受け継がれ、私たちが住み暮らす室蘭市、登別市は、地域を想う人を、無くさないまちとなるでしょう。JCの活動は、自身の挑戦の繰り返しでもあるため、時に辛く、時に悩み、立ち止まることもあります。では、なぜ挑戦をやめないのか。同志がいれば、最後には笑い合い、また次に進めることを知っているからです。2023年JCI登別室蘭にとって新たな挑戦の1年となります。最後には、同志と共に笑い合い、共に次へ進めると、私は信じています。